日本歯科医師会の広報誌に、書かせていただきました。
1000字程度って、ぼくには難しいです。
あと100文字あれば、もっときちんと書けるのになー。
あるいはあと200字少なければ、割り切れるのに。。。
マスクでウイルス感染症を防ぎきれないのは、
ウイルスの大きさに比べてマスクの目が粗いという理由では、まったくありません。
いろんな大きさに例えて、「すり抜けて当然」みたいな話が出回ってますが、
(3メートルほどの隙間をテニスボールが通り抜ける、みたいな。)
ちょい考えればわかる話です。
そのマスク、ナノメーター単位の、目に見えるかどうかの薄さでしょうか。
それなら通っちゃうけどね。
考えてみてください。網戸の網を何十枚も重ねたら、光も通さないでしょ。
それと同じ。
ウイルスからしたらマスクは、超巨木の森が奥行き何百メートルも続いている状態です。
テニスボールがどこにもぶつからずに、森の向こうまで行けるでしょーか?
しかも、鉄でできた森を磁石のボールが、ふわんふわん揺れながら進むんですよ。
すぐに吸い寄せられますよね。
(ブラウン運動で揺れてるものが、分子間力をかわせるかってことですね)
今から7年前、その「スカスカに通る説」が正しいのかを疑って、
ガッテンで、実際に厳密に測定しました。
そしたら、キオスクで売ってるよーな使い捨てマスクでも、
ウイルスと同じ大きさの微粒子を、なんと98.8%キャッチ。
医療用のN95なんかじゃなくっても、「飛沫99%カット」と書いてあるやつは、
飛沫ではなく「飛沫核」も、ちゃんと99%カットできるのです。
なのに、部数日本一のY新聞も、A新聞も、大間違いなのです。
(Y社は、ご丁寧にナノメーター単位の極薄マスクのイラストまでつけちゃって。)
それでもマスクでウイルス感染症を防ぎきれない理由は、
ただ単純に、ほぼすべての人が、「きちんと装着してない」からですね。
これは、推測ではなく、断定に近い推定です(証明はされてません)。
みんながちゃんとつけてない状態で、「論文によるとマスクにはエビデンスがない」とか、
当たり前すぎでしょが〜!!!
の話です。
番組では念のため、「マスクを装着した状態で通常に呼吸」して、
実験室内に浮遊させたウイルス大の微粒子が、どれくらい鼻のすぐ下まで到達するかも、
厳密に測定しました。
そしたら、上手につければシロートさんでも95%カットを実現できました。
でもね。防ぎきれないんですよ。
その95%カットは、一言もしゃべらず、じ〜っとしてた時の話。
ちょっと動くとすぐに隙間ができますからね。入っちゃうのです。
きちんと装着してないっつーよりか、まあ、「そうそうできない」ってこと。
ここでもう一つ、大誤解というか大矛盾の説について。
それはですねー、「マスク表面にはウイルスがついてるから触っちゃダメだ説」。
ついこないだまで「スカスカに通る説」だった人が、なにゆーてるのじゃないですか。
しかもウイルスがそこらじゅうふわふわ飛びまくってる前提ですよね、それ。
どこでそんなに飛んでますく? いや、飛んでますか?
じつはぼく、マスク表面には思いっきり触りまくりでしたよ。
だって、感染したらめんどくさいんだもん、ものすごく。
それは、「もしかしたら飛んでる可能性のある場所」に、仕方なく出向く時のこと。
つまり電車に乗るときですね。
満員じゃなくても、数えてみたら2m以内に10人以上人がいるし、
離れていても、飛沫が飛沫核に変わって飛ぶ可能性もあるし、
いつだれが咳・くしゃみをするかわからないんですよ。
今なら、ほぼ100%の人が電車ではマスクしてるけど、3月4月の時点では、
花粉症以外の人はまだそんなにしてなかったですからね。
(まだ半年も経ってないのに、その光景が遠い昔なのが怖い…。)
実際、花粉の季節はくしゃみも咳もしてる人が多いのです。
そんな怖いところに無防備では、とてもじゃないけどいられないので、
ぼくは数分おきに思いっきり触りまくってどこにも隙間ができないよう、
押さえまくりでした。
で、その手は絶対にどこにも触らないように気をつけて、
電車を降りたら一刻も早く入念な手洗いもしくはアルコール消毒。
マスク触っちゃダメなんじゃなくって、マスクに触った手で触っちゃダメって話ですからね。
あ、あとね。マスクは自分の感染を防ぐためではなく、周りにうつさないためなんですよ、
なんて書いてる人もいますね。それは間違ってはいませんが、めちゃ危険ですね。
まじスカスカに通すタイプのマスクが、ものすごく出回ってますからね。
そして、98.8%のカット率を誇る不織布マスクも、それは吸った空気の場合。
咳は風速50メートルとも80メートルともいわれてるのが、
「初速」で思いっきりぶつかるわけですからね。
当然ながら、一部は勢いで通り抜けると考えるのが自然です。
分子間力は、磁力ほど強力ではないでしょうし。
しかも、咳の瞬間に、マスク、思いっきり変形しますからね。隙間から相当出ちゃうでしょう。
昨日(9月23日)の新聞にも、天下のスパコンのシミュレーション画像が出てましたね。
「うつさないため」、なんてどこまで言えますく?
神経質にまでならなくてもいいけど、「できるだけうつさない」ためのもので、
「咳・くしゃみのときは漏れないように注意」と覚えとくのがよいでしょう。
8月に福岡から久々の飛行機で帰るときは、一人めっちゃ咳をする人がいて、
その人、斜め後ろで3メートルくらい離れてて、いちおうマスクはしてましたが、
あれは怖かった。換気による空気の流れで、こっちに来ませんようにと祈りつつ、
しょっちゅう押さえ直し。眠っちゃわないよう気をつけながら目も閉じて…
疲れましたね、あれはホントに。完璧はないので、祈るしかないですからね。
感染者が悪いわけではまったくないのですが、どーかあの人が持ってませんよーに、と。
たぶん自分は重症化しないので、病気として怖いってことは、あんまりないです。
でもめんどくさいのがすご〜く怖い。
…みたいな長文になっちゃうんですよね。1000文字が難しいの、わかりますでしょ。
で、布の目を抜けようが横から入ろうがどっちでもいいじゃんな情報を、
なんでこうまでしつこく書くかというと、もちろん、
「受け売りの情報を考えもせず拡散するのはいかがなものかと思いますよ」
ってのもありますが、本当の理由はこれです。
「そーまでちゃんと考えて感染には気をつけてるぼくなので、
どうぞご安心して、講師としてお招きくださいね〜」ってことなのです。
ちなみに付け加えておくならば、例の豪華客船でもご活躍された、
感染症の大御所の専門家の方も、3月の時点ではインタビューで、
「ぼくは電車ではマスクはつけません。必要ないからです」と答えてらっしゃったのに、
しばらく後に何かで見たときには、ふつうに着けておられましたね。
でも大事なことは、その先生もおっしゃってた通り、
「マスクに『頼らない』感染対策」。
これは、絶対ですね。
いざという時には、細心の注意を払いつつ、しっかり頼る。
飛んでそうにないところでは、まったく不要。
単なる気休めじゃ、もったいないし申し訳ない。
ま、少なくともマスクは、そーゆーものとしてお付き合いするのを、
おススメしますく。
2020年09月24日
2020年08月19日
オンラインでの講演・研修、やってますよ〜!!
はい、おとなしくしてるように見えますけど、
じつはオンラインでの講演・研修、やってますの。
3月に入った頃から、いくつかも講師派遣業者の方々から、
あるいは、研修機関の方々から、「オンラインでやりませんか」とお誘いを受けてました。
当初、「いちおう大丈夫ですけど」くらいな感じで、あまり、
というよりも、まったく、積極的にはなれませんでした。
ぼくの講演や研修は、目の前にいる方々のリアクションで成り立っているからです。
(聞いてようが寝てようがおかまいなしの先生方のとは、組み立て方が違ってまして。)
でもですねえ…。
今はめっちゃ積極的にやってまーーーす!!!
あ、いやガンガン売り込んでるとかではなく、積極的にお受けしてます!!!です。
てゆーか!
じつはめっちゃ向いてることがわかっちゃったのです。
てゆーかてゆーか!!
ぼくが間違ってました。 …比較の対象が。 …完全に。
すみません、ぼくは、
「聴く人がリアルにそこにたくさんいらっしゃる状態」と、
「そうではない状態(つまりオンライン)」を想定比較して、
「ぼく自身のパフォーマンス」がどーなのかばっか考えてました。
ベストではないものを、お客さんの前にさらしてはいけない、それでお金をもらっちゃいけない、
と考えてたのです。間違ってました。
ぼくが比較すべきはそうではなく、
オンラインならオンラインしかない状況下で、
「ほかの人のオンラインを聴く」vs.「北折のオンラインを聴く」 …の比較。
あるいは
「北折のオンラインを聴く」vs.「北折のオンラインを聴かない」 …の比較。
そーゆー比較で、聴講される人にとってどっちがいいのか
で考えなきゃいけなかったのでした。
すみませんですm(__)m
それで考えたら、消極的であること自体が、態度として間違ってました。
いや、決して自画自賛とかじゃなくて、ですよ。
この春から実際に何本か、当初は渋々ながらもオンラインで、
ふつーならドッカンドッカン聞こえるはずのお客さんの笑い声が聞こえない状態で、
何本もやらせていただきました。
そしたら、アンケートを見ると、
「今まで受けた授業の中で、一番感動しました」的なのが、
ぼくの想像よりも、全っ然、多いのです。
普段はちょろちょろとしか記入されないという自由記述欄が、
すごい字数で書かれている人ばっか。「笑ってしまいました」とか書いてるし。
(パソコンの前で一人で笑ってるってことですね)
「疲れるから短時間しかムリ」というのがオンラインの常識なのに、
3時間のところを20分以上オーバーしちゃったにもかかわらず、
「おもしろかった・もっと長く聴きたかった」が半数以上。
しかも、「オフラインで聴きたかった」が、
これが意外なことに、7%しかいなかったのです。
こりゃもう、「めっちゃ向いてる」としか言いようがないですよね。
ぼくの思ってるよりもはるかに早く、オンライン慣れした人たちがこの世にあふれ、
オンラインの中での良しあしを見る目が、はるかに進んでたんだと解釈してます。
「オンラインもやってますでしょうか」のお問合せが、
あまりにも「おそるおそるおたずねします」な感じが多いので、
恐縮しまくって書かせていただきました。
(そりゃそうですね、HPも少しも更新せず、開店休業中にしか見えないですもんね。)
今はものすごく積極的にお受けしてます!!!
皆さんにお話ししたいことだらけです!!!
どーぞふつーに、ご連絡くださいまし。
➨メールフォームhttp://www.kitaori.jp/Contact.html
やりかたについては、何でもご相談に乗ることができます。
これまで旅費の捻出の難しかった遠くの主催者の方々(特に中小の企業さんですね)、
あるいはもともと規定額の低い地方の大学等の授業も、ハードル下がってますよ〜。
チャンスです!!!
「陽性者の多い東京から、なんで人を呼ぶんだ!」とのご批判が来そうな地域も、
オンラインなら「完全に安心」です。
あ、それで、通常の講演研修をお受けする際に条件としていた、
「会場での本の販売に積極的に許可をいただけること」に関しては、
どーすることもできないので、とりあえずは無視してください。
m(__)m
「北折、大丈夫か説」につきまして
あまりにも長い間、ブログすらも更新してませんからねー。
新型コロナの影響で大打撃を受け、元気をなくしてるんじゃないかと、
ご心配をいただいてる方々も多いようです。
Facebookでつながってる人は、「生きてはいるようだ」とご理解いただいてますが、
自分の投稿をほとんどしてなくて、やっぱ元気なくしてそうにも見えるかと…。
すみません、お気遣いをいただきまして…m(__)m
元気モリモリ、ということは全然ないのですが、
「きわめてふつー」です。
元気をなくして当たり前の境遇であることは間違いありません。
収入のほとんどをしめていた、講演・研修が、3月以降は「ほぼ全滅」ですので。
こんなとき、しっかりした人はしっかり動いてます。
ぼく、しっかりしてません。
あの手この手で「情報発信」を頑張ってる人もいます。
ぼく、もともと情報発信に積極的じゃなかったので、
急に積極的になれたりは、しないタイプです。
じゃ、何をしてるのか。
何にもしてません。
オンラインでいろいろ頑張ろうと、思ったことは思ったのですが、
「あれっ?」と思うくらいになぜかその気持ちがある日パキッと折れて、
(きっかけはささい。)
そうこうしてるうちに、何にもしないことに慣れちゃったというのかなー。
わかってるんですよ。
何よりもそれこそが一番ヤバいってこと。
でも、なんかねー。
まあそれでも、ぼちぼち動きますので。
あ、書き物はちょくちょくやってるんですよ。
いくつか連載もさせていただいてますし。
(お金にはほとんどならんけど)
そーゆーのも、ご紹介すればいいんですけどね。
ま、それもぼちぼちやっていきます。
あと、7月くらいからは、大学の授業を4つばかりと、
歯医者さんの院内研修やオンライン研修もしてます。
このあとは、一般の講演もオンラインでご依頼が来てます。
それと、パンフレットやパワポの添削指導なんかも、
自分で言うのもなんですが、いい仕事してますよ〜。
やっぱ、ご依頼があってのお仕事は、すごく燃えますね。
それにしても、暑いすね。
川でも行こうかな。