いやその、新型感染症で日本も大変なことになるというのは、少しは想像してたんですよ。何年か前には、医療用のマスクも確保してましたし。(ちなみにそれは、一作年被災地に寄付しました。水害の後って、尋常じゃない「危険な粉塵地帯」となりますから。)
いつか日本もやばいことになる、とは想像してましたが、自分の本業に壊滅的ダメージを与えることは、ちっとも想像せず。なので、さんざんの度合いは、激しかったですねー。
ま、笑うしかなかったんで、笑って引きこもり生活してました。
が、そんな中で!!
自分ではもう二度とやらないと固く信じていた、映像関係のディレクターをしたのが、2020の、一番のトピックス。
いやだったんですよ、テレビの仕事。あまりにも大変だし、何かうまく行かないと激しく責任を追及されるし、それなのに「空気の中に消えていくもの」しか生み出さないし。
なので「ためしてガッテン」では最初の3年だけディレクターをして、4年目から18年目まで、「ディレクターの作る作品の質を高める専門職(ディレクターのディレクター、的な)」を新設してそればっかやってました。内容の責任をすべて負うプレッシャーは、ジンジョーもハンパもなかったけど、少なくともロケの手配も現場での細かな作業も直接は、やらない。そこでコケるプレッシャーの方が、あとからそれをなんとかカバーするプレッシャーよりも、ずっといやだったんですよね。
平たく言えば、「北折さん、口ばっか出してここがダメとかもっとああしろとか言う割に、自分が作ると大したことないんすね」なんて思われちゃったら、死にたくなっちゃうってことなんですけどね。
だから、二度とやりたくなかった。でも、断りたくない仕事を断りたくない人から頼まれちゃったから、受けちゃった。
前置きが長くなりました。
はい、そんなこんなで直接的にすべての作業に手を下すディレクターの仕事をしたのは、なんと22年ぶり!
そして、初めての民放でのお仕事!!
そしてそして、NHKにはなかったCMのお仕事!!
ハッキリ言って、「ためしてガッテン」の演出担当デスクのお仕事の、数百倍のプレッシャーと難しさ。
はい、そんなこんなでありましたが、ご覧になった方から来ちゃいましたよ。
「放送差し止めを要求する」というお電話が。
何やらかしちゃったんでしょ。
じつはですねー。このお仕事は、山口県歯科医師会からいただいたもの。
コロナ禍で歯科の受診控えが起きちゃってることを憂慮したのとともに、この機をとらえて「もっともっと歯科医療の重要性をひろく理解してもらいたい」というのが、狙い。
歯科医師会のホームページで公開する動画の作成がミッションです。
見るわけないじゃないですか、ふつーの人が、歯科医師会のホームページなんて。
誰にも見てもらえないどころか、接触につながる材料すら、誰にもどこにもないですからね。
どんなに重要なテーマでも、どんなに素晴らしい内容でも。
今回は、たまたま「山口県」との共同企画になり、山口県がスポンサーになってキャンペーンのCMを流すことになり、それも「ついでに」ぼくが制作することになりました。
このチャンスをどげんかせんと!!
ということで、「クレームの電話がかかってきちゃうくらいのものを作る」というのが、じつは最初っからの作戦でした。
だって、「こーゆーことやってますから、詳しくは歯科医師会ホームページで!」という「お知らせ」なんて、何百回放送しても、ホームページなんて見ないでしょ。
しかも県からは、
・県知事を登場させる
・県知事なんだから、おもしろ系をさせるわけにはいかない
という、きわめて厳しい条件。
しかもしかもそこに、
・山口県だからこそ、にこだわる
・本当に県民の健康を願っている
・歯科医療者のひとりひとりが本気で取り組んでいる
というのも、きっちり入れ込まなければ、という超超超!!!高難度なミッション。
どーしますか、これ???
「何これ、なんかわかんないけど気になる」程度から、「何なんだ一体、山口県歯科医師会のやつらは!!」くらいの勢いがなければ、「何にもしなかったのも同じ」。
それを30秒でやるわけですからね。
どー考えても、NHKで「ためしてガッテン」の演出を考えてる方が、どんだけラクかって話です。
さあ、ここまで言い訳を並べたから、もう大丈夫でしょう。
動画は、これです。まずは、「県」がスポンサーになった15秒版。
再生できない場合、ダウンロードは🎥こちら
県からご指定の台本をそのまま撮っただけのものです。
なので、単なる「お知らせ」です。
そして、県知事にはおもしろ系のことはさせないという条件をきっちり守った上で撮ったのが、
こちらです。放送差し止め要求が来ちゃったやつ、30秒版。
(どちらも、完成版を持ってなくて、実際はこのあと少し手直しをしています)
再生できない場合、ダウンロードは🎥こちら
この程度のことをするだけでも山口県民の方々の中には、
けっこうギョッとしちゃう人たちが多いことは、100%「計算ずく」。
クレームの電話も、何件も来ることも100%「計算ずく」。
「流さないでほしい」という意見も当然来るでしょう。
だってそれくらいのことしなければ、何にもしてないのと同じですから。
ただね。少〜しだけ、
「ありゃー、いやな時代になってるなー」と思ったのが、
わざわざ萩市の観光協会に電話をかけて、
そこから「県に対して正式な放送差し止めを申し伝えるように」という圧力をかけた方がおられたこと。
自分の気に入らないものは「存在」すらも許さない、
とゆーよーなことが、昨今たくさん起きてる時代ですからね。
さもありなんではありますが、この程度のことにこうまで。。。。
皆さんはどう思います?
…さて、これは山口県歯科医師会がスポンサーの30秒テレビCMですが、
「本編」にあたる、歯科医師会ホームページ用の動画はどうが?
いやどうなのか?
たった1日で、6本分のロケ(県知事のも含めると8本分)をして、
何とかこしらえましたよ。
ま、YouTube検索した時点でついでに見れちゃったりしますけどね。
それらについても、今後少しずつ、解説していきますね。
(せっかくの珍しい機会だったんで、しっかり後味も味わわないと)
という、初めてのスタイルのお年始のご挨拶となりました。
どうぞ皆さんの一年が、よきものとなりますよう!!!