北折一ブログ

2021年01月01日

「放送差し止め要求」

講演が本業のぼくに取っては、2020年は、少しも想像すらできなかったくらいにさんざんで最悪な年となりました。でも、少しも想像していなかったお仕事をさせていただいたのも、2020でした。
いやその、新型感染症で日本も大変なことになるというのは、少しは想像してたんですよ。何年か前には、医療用のマスクも確保してましたし。(ちなみにそれは、一作年被災地に寄付しました。水害の後って、尋常じゃない「危険な粉塵地帯」となりますから。)
いつか日本もやばいことになる、とは想像してましたが、自分の本業に壊滅的ダメージを与えることは、ちっとも想像せず。なので、さんざんの度合いは、激しかったですねー。

ま、笑うしかなかったんで、笑って引きこもり生活してました。

が、そんな中で!!
自分ではもう二度とやらないと固く信じていた、映像関係のディレクターをしたのが、2020の、一番のトピックス。
いやだったんですよ、テレビの仕事。あまりにも大変だし、何かうまく行かないと激しく責任を追及されるし、それなのに「空気の中に消えていくもの」しか生み出さないし。
なので「ためしてガッテン」では最初の3年だけディレクターをして、4年目から18年目まで、「ディレクターの作る作品の質を高める専門職(ディレクターのディレクター、的な)」を新設してそればっかやってました。内容の責任をすべて負うプレッシャーは、ジンジョーもハンパもなかったけど、少なくともロケの手配も現場での細かな作業も直接は、やらない。そこでコケるプレッシャーの方が、あとからそれをなんとかカバーするプレッシャーよりも、ずっといやだったんですよね。
平たく言えば、「北折さん、口ばっか出してここがダメとかもっとああしろとか言う割に、自分が作ると大したことないんすね」なんて思われちゃったら、死にたくなっちゃうってことなんですけどね。
だから、二度とやりたくなかった。でも、断りたくない仕事を断りたくない人から頼まれちゃったから、受けちゃった。

前置きが長くなりました。

はい、そんなこんなで直接的にすべての作業に手を下すディレクターの仕事をしたのは、なんと22年ぶり!
そして、初めての民放でのお仕事!!
そしてそして、NHKにはなかったCMのお仕事!!
ハッキリ言って、「ためしてガッテン」の演出担当デスクのお仕事の、数百倍のプレッシャーと難しさ。

はい、そんなこんなでありましたが、ご覧になった方から来ちゃいましたよ。
「放送差し止めを要求する」というお電話が。

何やらかしちゃったんでしょ。

じつはですねー。このお仕事は、山口県歯科医師会からいただいたもの。
コロナ禍で歯科の受診控えが起きちゃってることを憂慮したのとともに、この機をとらえて「もっともっと歯科医療の重要性をひろく理解してもらいたい」というのが、狙い。
歯科医師会のホームページで公開する動画の作成がミッションです。
見るわけないじゃないですか、ふつーの人が、歯科医師会のホームページなんて。
誰にも見てもらえないどころか、接触につながる材料すら、誰にもどこにもないですからね。
どんなに重要なテーマでも、どんなに素晴らしい内容でも。
今回は、たまたま「山口県」との共同企画になり、山口県がスポンサーになってキャンペーンのCMを流すことになり、それも「ついでに」ぼくが制作することになりました。
このチャンスをどげんかせんと!!
ということで、「クレームの電話がかかってきちゃうくらいのものを作る」というのが、じつは最初っからの作戦でした。
だって、「こーゆーことやってますから、詳しくは歯科医師会ホームページで!」という「お知らせ」なんて、何百回放送しても、ホームページなんて見ないでしょ。
しかも県からは、
・県知事を登場させる
・県知事なんだから、おもしろ系をさせるわけにはいかない
という、きわめて厳しい条件。
しかもしかもそこに、
・山口県だからこそ、にこだわる
・本当に県民の健康を願っている
・歯科医療者のひとりひとりが本気で取り組んでいる
というのも、きっちり入れ込まなければ、という超超超!!!高難度なミッション。
どーしますか、これ???
「何これ、なんかわかんないけど気になる」程度から、「何なんだ一体、山口県歯科医師会のやつらは!!」くらいの勢いがなければ、「何にもしなかったのも同じ」。
それを30秒でやるわけですからね。
どー考えても、NHKで「ためしてガッテン」の演出を考えてる方が、どんだけラクかって話です。

さあ、ここまで言い訳を並べたから、もう大丈夫でしょう。
動画は、これです。まずは、「県」がスポンサーになった15秒版。

県からご指定の台本をそのまま撮っただけのものです。
なので、単なる「お知らせ」です。
そして、県知事にはおもしろ系のことはさせないという条件をきっちり守った上で撮ったのが、
こちらです。放送差し止め要求が来ちゃったやつ、30秒版。
(どちらも、完成版を持ってなくて、実際はこのあと少し手直しをしています)

この程度のことをするだけでも山口県民の方々の中には、
けっこうギョッとしちゃう人たちが多いことは、100%「計算ずく」。
クレームの電話も、何件も来ることも100%「計算ずく」。
「流さないでほしい」という意見も当然来るでしょう。
だってそれくらいのことしなければ、何にもしてないのと同じですから。
ただね。少〜しだけ、
「ありゃー、いやな時代になってるなー」と思ったのが、
わざわざ萩市の観光協会に電話をかけて、
そこから「県に対して正式な放送差し止めを申し伝えるように」という圧力をかけた方がおられたこと。
自分の気に入らないものは「存在」すらも許さない、
とゆーよーなことが、昨今たくさん起きてる時代ですからね。
さもありなんではありますが、この程度のことにこうまで。。。。
皆さんはどう思います?

…さて、これは山口県歯科医師会がスポンサーの30秒テレビCMですが、
「本編」にあたる、歯科医師会ホームページ用の動画はどうが?
いやどうなのか?
たった1日で、6本分のロケ(県知事のも含めると8本分)をして、
何とかこしらえましたよ。
ま、YouTube検索した時点でついでに見れちゃったりしますけどね。
それらについても、今後少しずつ、解説していきますね。
(せっかくの珍しい機会だったんで、しっかり後味も味わわないと)

という、初めてのスタイルのお年始のご挨拶となりました。
どうぞ皆さんの一年が、よきものとなりますよう!!!


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2020年11月19日

てんびん。


ゼロではないけどゼロに近い。
ゼロに近いけどゼロではない。
そーゆーものをどう評価するか、ですね。
これって、ほぼ同じだけど同じではない。
ニュアンスがまったく違いますからねー。

何のことかと言うと、
「講演」を開催するかどうかのことです。
新コロ、感染しちゃうかどうかで言えば、
講演はライブハウスやカラオケに比べたら、
「飛沫が飛んでそれを吸っちゃう可能性」も
「飛沫が付着したものに接触しちゃう可能性」も、
ゼロと言っても過言ではないほど、きわめてゼロに近い。
(もちろんそれなりに気をつけた運営ならば、です)
「でも、もし万が一にでも出ちゃったらどうするんだ…」
と言い出すかどうかの話。
本来はそーです。
ただ講演の場合は、それとは別に、
「お客さんが安心して集まれるかどうか」
という議論が加わるから、ちょいややこしーです。
最近はようやく、勇気を持って開催してくださる主催者も、
増えてきました。

3月から10月いっぱいまで、オンラインを除いて、
一般向けの講演は、
きれ〜〜〜〜〜〜〜い!!に「全滅」でしたが、
11月、ようやくいくつか復活いたしました。
一番最初に、「やります」と力強く言っていただいたのは、
北海道は恵庭市。今度の水曜日です。
わざわざ北海道大学の感染症の専門家を会場に呼んでチェックしてもらい、
「これなら全然オッケー!」というお墨付きを得ての開催。
中止(または延期)にしちゃう方が、ラクで確実なのですが、
「できるかどうかではなく、やるかやらないか」でのご判断。

「てんびん」に、しっかりと掛けられたのだと思います。
どちらが、市民の方々にとって本当によいのか。
「開催しない方がいい vs. 開催した方がいい」
ちゃんとてんびんに乗っけて。

勇気だけではなく、
「例年ならばやらなくてもいい作業」「受けなくてもいいクレーム」
などなどもたくさん引き受けて。
それでもやった方がよい。学んだ方がよい。その方が住民の健康にとって、
プラスになるはずだ。
…そこまで思っていただいたら、ぼくだってめっちゃ張り切るので、
そりゃ、来られたお客さんのことは確実に幸せになっていただけるよう、
全全全全全んんん力を振り絞ってがんばりますから、
実際、確実に幸せになっていただけるはずなのです。
だから、てんびんは、「開催」側に傾くのです。
そーゆーものなのです。
20201024_1.jpg
タイトルも素晴らしいですよね。
こーゆータイトルで、本当におもしろく、しかもためになり、
しかもおもしろくてためになり、確実に笑えてしっかりためになる(くどいですね)、
そーゆー話は、日本国内には、
できる人はそんなには多くないと思います。
いや、「感動できる話」が上手な人とかね、
そのために、多少怪しい話も平気で入れちゃう人の中には、
おもしろく話せる人もいるでしょうけどね。
NHKで放送しちゃってもOKなくらいのレベルで、
(最近あやしい情報も増えてますけどね、Nさんも)
笑えるように話せる人は、ホントに少ししかいないと思いますよ。
じぶんでいうのもおこがましーですが。
今週も浜松で、一般の人向けに話してきましたが、
「ホントよく笑わせてもらいました。いい一日になりました」
と、思い出し笑いしながら帰って行かれる人もおられました。
たかだか90分の話で、「いい一日」。
うれしーじゃないですか、まったくもう!!!

だって、ぼく、
がんばりますもん。ホントに。
お客さんのために、というのはもちろんのこと、主催者さんのためにも。
何かあったらすぐに責任を問われちゃう立場なのに、
開催の決断をしてくださった恵庭の関係者の皆様には、
本当に「敬意」なのです。
そう思える主催者さんに会える確率が、以前よりも増えそーなのは、
こんな状況下になっちゃった中での、数少ない「よいこと」かもな。

…と思う今日この頃でーす。

とか何とか言ってるうちに、感染者(陽性者)数が、
東京も北海道もいきなり激増中ですね。
今のところまだ大丈夫ですが、
「延期」のお知らせが来ないとも限らないので、
あわてて投稿。

神様!!なんとか来週、恵庭に行けますように!!
おねげーしますだ!!!
posted by kitaori at 02:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年11月03日

ありゃ、気が付いたら。


りゃりゃりゃりゃ〜。忘れちょりました
なんかね、「秋になると思うことがあるはずだよなー」と、
毎年毎年思ってて、
それは「会社を辞めて一人になりました記念」の日だったのですが、
今年は、過ぎてから思い出しました。
11月1日は、7年前にぼくがNHKを辞めて、初めての日。
朝起きて、会社に行かなくていいのがこんなに気持ちがいいなんて!!
と実感した日だったのであります。
そして、8年目に突入した日、だったのです。
なのに、あ!もう3日じゃん!!でございました。

ま、いろいろあり過ぎの日々ですからね、今年は。
もちろん、「3月以降いきなり講演全滅で収入ほぼ全滅」事件もそーですが、
その後、北折、教科書に載る」事件、
「北折、オンラインで語る」事件、
さらにはごく最近、北折、テレビCMの監督を務める(もちろん民放)」事件、
なんてのもありまして。
地味なところでは、「長梅雨で、キュウリ全滅」事件、
なんてのもありますが、教科書に関しては、「載った」事件とは別に、
「北折、教科書を作る」事件、
なんてのもあったりして。
すごくないすか!?!?
 
やばいすね。
ブログもFacebookも、すっかり更新しないのがふつーになり過ぎて、
「北折やる気なくしてるんじゃないか」事件の様相を、
めっちゃ漂わせてますもんね。
全然なくしてません、やる気は。
あ、ブログやFBの更新のやる気以外は。

収入激減で元気をなくしてるんじゃないか、に関して言えば、
そりゃ元気モリモリとはほど遠いですが、
なぜか、少しも落ち込むことはなく、
いやいや、それがヤバイんだろーが!!な状態にもかかわらず、
「ふつーに元気」です。
こんなことになるなら、安定収入のあの会社を辞めるんじゃなかった。
…などとは、あいかわらず1秒たりとも思いませんねー、不思議に。
(ろくに働いてもいないのにあの会社で高給取りの人たちに、
若干のもやもやは感じますけどね。)

ま、そんなこんなで、「教科書に載る事件」「CMの監督する事件」に関しても、
今月中に書きますからね。
ちょいお待ちくださいませ!!!


いやー、それにしても、もう丸7年だったか―。
はや。



posted by kitaori at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記