北折一ブログ

2015年12月09日

今だから語れる、「平身低頭」なお話。


シリーズ化するのかどーかは不明ですが、せっかくテレビ局に勤めてたので、
テレビの裏側のお話もしないと、かなーと思いまして。
ウラ話で言えない話はいくらもありますけどね。
現に最近のガッテン見てても、「やば。これ週刊誌に見つかったら相当な騒動になって、
打ち切り、とまではいかないまでも下手したら政治家から叱られるハメになっちゃうかも。」
なんてキケンな事実もありましたからねー。
(テレビがやってはならないとされてることです。世間では「やらせ」、NHKでは「過剰な演出という判断」と言われるレベルの話。もちろん誰にも言いません。)

まあそこまではいかないけど、ぼく自身が現役時代にやらかした、本当に申し訳なく思ってる事やヤバかったことなどを、すこ〜しずつお話しようかな、なんてね。
シリーズ第1回は、ガッテンが始まった年1995年のこと。
じつは放送開始3本目をぼくが作りました。テーマは「ノラ猫に困ったら」。
通常は、ディレクター自身がやりたいテーマを提案するのですが、「とにかく面白い新番組だと印象付けよう」との方針で、最初の4本は会議で戦略的に決められたテーマでした。
@ツボ健康法のツボA体にいいデザートBノラ猫C我が家の防災対策の順ですからねー。すごいラインナップです。で、ぼくが当たったのが、ノラ猫だったわけです。
いやでしたねー、このテーマで番組作るのは。
ネコ派の人たちからの突き上げが激しいことが分かっていたからです。動物好きの人たちの一部は、「先鋭化」してますからねー。
あ、ちょっと長くなりそうだな、こりゃ。いろんな思い出が出てきすぎて、言いたいことだらけになりそーです。心を鬼にして、一つだけにしぼらないと。
しぼります。
そんな事情で「悪いネコをなんとか撃退する策」などという番組など作っていいはずがありませんので、「ネコの性質・生態・能力のおもしろさをとことん味わい尽くして、その性質を上手に逆利用して、ネコ好きでない人の家によそのネコが勝手に来て起こす『問題行動』だけを抑えよう」という、ネコ派からも絶対に刺されない「美しい」番組をこしらえました。
案の定、前の週に予告を流しただけで、烈火のごとく怒った匿名のハガキがいくつも来ましたが、放送後のクレームは、見事に「見なかった人」からだけでしたよ。あとは「ペットボトルを並べてた自分が、バカなことをしてただけだと言われたようで腹立たしかった」というのはありましたが。

あ、それで平身低頭な話とは何かなんですけど。。。
ネコのユニークな性質のひとつとして、「思いのほか小心者でストレスに弱く、知らない場所に連れていくとビビッて一歩も動けない」というのが、かわいいかなーと思ってね。
やってみたんです。
ネコ好き絶賛のかわいい「かご」に入れたネコを車で何キロか運んで、公園の真ん中にぽつんと置かれたそのかごのふたが、ひとりでにあいたら、中からおそろおそるそ〜〜〜っと顔を出して、キョロキョロすることすらできず、周りの気配をうかがう、その様のかわいらしいこと。
今回の番組では、ネコ嫌いの人が「案外かわいいかも」と思って、「許容の幅をひろげる」というのも重大な隠しテーマでしたからね。もちろんネコ派の人も胸がキュンとなって、思わず抱きしめたくなるシーンが、見事に撮れました。

…だったらよかったんですけどねえ。。。。
ふたがあき始めて、まだあききってもいないその瞬間、小爆発でも起こったかのように、かごがはじけたかと思うが早いか、白い風がさっと通り抜けるかのように…。
つーか、脱兎のごとくというべきか、一直線に民家の塀に向かい、そこに抜け道があるのを知っているかと思うくらい何の迷いもなくそのままのスピードで、塀の下の隙間に飛び込んで、そのままいなくなってしまいました。もちろん、カメラで追うこともできないどころか、あんなに速いネコは初めて見た感じ。
もうね、誰もが呆然とするしかない状態。その日の撮影はそれしか予定されてませんでしたからねー。みんな無言のままロケバスに乗り込み、局に帰りました。
申し訳ありません。m(__)m
「ノラ猫に困ったら」という番組の作成中に、ノラ猫作ってしまいましたm(__)m m(__)m m(__)m。
てゆーか、その猫ご本人にも申し訳ありませんm(__)m(平身低頭)。
知らない土地で一人生きていく事態に追い込んでしまって。。。。
あれから20年以上たちましたからねー。さすがにもういないかな。つーか20年生きると「猫又」になると、水木しげる先生もおっしゃってましたからねえ。
ほんとにすみませんでしたm(__)m
どうか、猫又になって人を襲ったりは、いたしませんように。。。。

ちなみに@
バチがあたったのか、ぼくはロケ中に激しい猫アレルギーを発症し、くしゃみ鼻水発疹でボロボロになりながらの撮影になりました。。。
ちなみにA
そのネコは、撮影用の動物プロダクションから買い取ったネコちゃんです。受信料でノラ猫を作るなんて…。
ちなみにB
番組で紹介した、「ノイローゼになりかかっている」ほど糞害に悩んでおられたおばあちゃんは、その後すっかりネコがかわいくなっちゃったそうで、しっかり問題解決できました。
さて何をしたのでしょう??