北折一ブログ

2020年09月24日

ま、少なくともマスクは。

日本歯科医師会の広報誌に、書かせていただきました。
1000字程度って、ぼくには難しいです。
あと100文字あれば、もっときちんと書けるのになー。
あるいはあと200字少なければ、割り切れるのに。。。
200916_1745_001.jpg

マスクでウイルス感染症を防ぎきれないのは、
ウイルスの大きさに比べてマスクの目が粗いという理由では、まったくありません。
いろんな大きさに例えて、「すり抜けて当然」みたいな話が出回ってますが、
(3メートルほどの隙間をテニスボールが通り抜ける、みたいな。)
ちょい考えればわかる話です。

そのマスク、ナノメーター単位の、目に見えるかどうかの薄さでしょうか。
それなら通っちゃうけどね。
考えてみてください。網戸の網を何十枚も重ねたら、光も通さないでしょ。
それと同じ。
ウイルスからしたらマスクは、超巨木の森が奥行き何百メートルも続いている状態です。
テニスボールがどこにもぶつからずに、森の向こうまで行けるでしょーか?
しかも、鉄でできた森を磁石のボールが、ふわんふわん揺れながら進むんですよ。
すぐに吸い寄せられますよね。
(ブラウン運動で揺れてるものが、分子間力をかわせるかってことですね)

今から7年前、その「スカスカに通る説」が正しいのかを疑って、
ガッテンで、実際に厳密に測定しました。
そしたら、キオスクで売ってるよーな使い捨てマスクでも、
ウイルスと同じ大きさの微粒子を、なんと98.8%キャッチ。
医療用のN95なんかじゃなくっても、「飛沫99%カット」と書いてあるやつは、
飛沫ではなく「飛沫核」も、ちゃんと99%カットできるのです。
なのに、部数日本一のY新聞も、A新聞も、大間違いなのです。
(Y社は、ご丁寧にナノメーター単位の極薄マスクのイラストまでつけちゃって。)
20200924_151844.jpg

それでもマスクでウイルス感染症を防ぎきれない理由は、
ただ単純に、ほぼすべての人が、「きちんと装着してない」からですね。
これは、推測ではなく、断定に近い推定です(証明はされてません)。
みんながちゃんとつけてない状態で、「論文によるとマスクにはエビデンスがない」とか、
当たり前すぎでしょが〜!!!
の話です。
番組では念のため、「マスクを装着した状態で通常に呼吸」して、
実験室内に浮遊させたウイルス大の微粒子が、どれくらい鼻のすぐ下まで到達するかも、
厳密に測定しました。
そしたら、上手につければシロートさんでも95%カットを実現できました。

でもね。防ぎきれないんですよ。
その95%カットは、一言もしゃべらず、じ〜っとしてた時の話。
ちょっと動くとすぐに隙間ができますからね。入っちゃうのです。
きちんと装着してないっつーよりか、まあ、「そうそうできない」ってこと。

ここでもう一つ、大誤解というか大矛盾の説について。
それはですねー、「マスク表面にはウイルスがついてるから触っちゃダメだ説」。
ついこないだまで「スカスカに通る説」だった人が、なにゆーてるのじゃないですか。
しかもウイルスがそこらじゅうふわふわ飛びまくってる前提ですよね、それ。
どこでそんなに飛んでますく? いや、飛んでますか?
じつはぼく、マスク表面には思いっきり触りまくりでしたよ。
だって、感染したらめんどくさいんだもん、ものすごく。
それは、「もしかしたら飛んでる可能性のある場所」に、仕方なく出向く時のこと。
つまり電車に乗るときですね。
満員じゃなくても、数えてみたら2m以内に10人以上人がいるし、
離れていても、飛沫が飛沫核に変わって飛ぶ可能性もあるし、
いつだれが咳・くしゃみをするかわからないんですよ。
今なら、ほぼ100%の人が電車ではマスクしてるけど、3月4月の時点では、
花粉症以外の人はまだそんなにしてなかったですからね。
(まだ半年も経ってないのに、その光景が遠い昔なのが怖い…。)
実際、花粉の季節はくしゃみも咳もしてる人が多いのです。
そんな怖いところに無防備では、とてもじゃないけどいられないので、
ぼくは数分おきに思いっきり触りまくってどこにも隙間ができないよう、
押さえまくりでした。
で、その手は絶対にどこにも触らないように気をつけて、
電車を降りたら一刻も早く入念な手洗いもしくはアルコール消毒。
マスク触っちゃダメなんじゃなくって、マスクに触った手で触っちゃダメって話ですからね。

あ、あとね。マスクは自分の感染を防ぐためではなく、周りにうつさないためなんですよ、
なんて書いてる人もいますね。それは間違ってはいませんが、めちゃ危険ですね。
まじスカスカに通すタイプのマスクが、ものすごく出回ってますからね。
そして、98.8%のカット率を誇る不織布マスクも、それは吸った空気の場合。
咳は風速50メートルとも80メートルともいわれてるのが、
「初速」で思いっきりぶつかるわけですからね。
当然ながら、一部は勢いで通り抜けると考えるのが自然です。
分子間力は、磁力ほど強力ではないでしょうし。
しかも、咳の瞬間に、マスク、思いっきり変形しますからね。隙間から相当出ちゃうでしょう。
昨日(9月23日)の新聞にも、天下のスパコンのシミュレーション画像が出てましたね。
20200924_115323.jpg
「うつさないため」、なんてどこまで言えますく? 
神経質にまでならなくてもいいけど、「できるだけうつさない」ためのもので、
「咳・くしゃみのときは漏れないように注意」と覚えとくのがよいでしょう。
8月に福岡から久々の飛行機で帰るときは、一人めっちゃ咳をする人がいて、
その人、斜め後ろで3メートルくらい離れてて、いちおうマスクはしてましたが、
あれは怖かった。換気による空気の流れで、こっちに来ませんようにと祈りつつ、
しょっちゅう押さえ直し。眠っちゃわないよう気をつけながら目も閉じて…
疲れましたね、あれはホントに。完璧はないので、祈るしかないですからね。
感染者が悪いわけではまったくないのですが、どーかあの人が持ってませんよーに、と。
たぶん自分は重症化しないので、病気として怖いってことは、あんまりないです。
でもめんどくさいのがすご〜く怖い。

…みたいな長文になっちゃうんですよね。1000文字が難しいの、わかりますでしょ。
で、布の目を抜けようが横から入ろうがどっちでもいいじゃんな情報を、
なんでこうまでしつこく書くかというと、もちろん、
「受け売りの情報を考えもせず拡散するのはいかがなものかと思いますよ」
ってのもありますが、本当の理由はこれです。
「そーまでちゃんと考えて感染には気をつけてるぼくなので、
どうぞご安心して、講師としてお招きくださいね〜」ってことなのです。

ちなみに付け加えておくならば、例の豪華客船でもご活躍された、
感染症の大御所の専門家の方も、3月の時点ではインタビューで、
「ぼくは電車ではマスクはつけません。必要ないからです」と答えてらっしゃったのに、
しばらく後に何かで見たときには、ふつうに着けておられましたね。
でも大事なことは、その先生もおっしゃってた通り、
「マスクに『頼らない』感染対策」。
これは、絶対ですね。

いざという時には、細心の注意を払いつつ、しっかり頼る。
飛んでそうにないところでは、まったく不要。
単なる気休めじゃ、もったいないし申し訳ない。
ま、少なくともマスクは、そーゆーものとしてお付き合いするのを、
おススメしますく。
posted by kitaori at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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