北折一ブログ

2017年03月17日

このネタで引っ張るつもりはさらさらありませんが…(少し直しました)

あまりにも心の中に大きな場所を占めつづけ、なんだかんだですぐにそっちに頭が行ってしまう状況を、ぼちぼち終えたいのでまとめときます。
(間違いなく長文化します、すみません)

「週刊文春」に実名でコメントしたことに対して、ご意見をたくさんいただきました。
ほぼすべてがあたたかいメッセージで、涙が出ちゃうようなのもいくつもいただきました。ありがとうございましたm(__)m
まあ、批判的なものはなかなか本人には届きにくいですけどね。あと、知らない人たちがネットでボロクソに言うリスクも覚悟はしましたが、それもどうやら無事なようです。
文春のネット版の書きっぷりから、「やられたか!?」と思って、そーとー気がざわめきましたが、記者の方は約束通りに、ぼくが番組スタッフを攻撃して消沈させるような扱いには、しないでくれました。めちゃしつこくお願いした甲斐がありました。
確かに「OBが実名告発」という一文が無ければ、見出しのインパクトは全然違ったと思いますけどね、仮にぼくが出なかったにしても同じ規模で叩く予定だったのですから、ま、その辺はそういうことで。

いちおう、文春さんに送った回答文書を少しだけ、そのまま載せときますね。
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今回の問題点は、ただひとつ。
ひとえに、管理職の管理能力の欠如以外にありません。
若いディレクターがネタを見つけてきた際に、最初に相談した相手(デスク)が、
たまたま知識や思慮が足りてなかったとしても、
途中で食い止めるシステムが、NHKには何重にも用意されています。
不祥事事件以降、クレームに対して弱い体質になり、
チェックが強化されて、科学・環境番組部長と庶務担当部長以外にも、
制作局長試写までが毎回行われ、そこで指摘された点を手直しするために、
収録から放送までの時間も、数年前に一週間延長されました。
その試写をする人たちが、全員ぼんくらばっかりだったということです。
あの内容で放送したらどんなことになるのかに関して、
あまりにも想像力が欠如しています。(ぼくに言わせれば、切腹モノです。)
番組のホームページには、「混乱を招いてしまった原因は、ご出演して頂いた専門家ではなく番組にあります。」
と書いてありますが、対外的にはそう表現せざるをえないものの、
「そのための役職」で「それで高級を取っている人たち」が機能しなかったわけですから、
ぼくはすべて、管理職の責任で、若いディレクターには罪はないと思っています。
今回のことで心配しているのは、頑張ってきた若いディレクターが委縮してしまうことです。
「下への締め付けを厳しくする」という対処をする組織ですから。
そうなったときに、多くの方々が安心して見られる番組が無くなってしまいます。
ぼく自身が最も心を傷めているのは、そのことに対する心配です。
(中略)
●●さん(記者のお名前)にお願いと言いますか、ご相談なのですが、
頑張っている若い人たちを苦しめないためにも、
へんな評論家のへんな悪口と並べないでいただきたいということです。
10年前に「あるある」が吹っ飛んだ際にも、
ワル乗りした雑誌がいくつも、「ガッテンだって似たようなものだ」という論調で、
いろいろ書きましたが、そのどれもが、科学的な事実や番組意図を無視した、
ひどいものでした。
肩書きだけは立派であったり、いかにも正しい研究をしてそうな人でも、
自分の専門研究以外には、ほとんど正しい知識が無いのが現状です。
中には、ウソばっかり書いた本を平気でたくさん出してる人もいます。
北折までもがその一人になり下がったような見え方になると、
あまりにも後輩たちをがっかりさせてしまうことが、目に見えています。
ぜひ、「ガッテン!」の他のネタに関して何かを載せる際には、
必ずその分野の、「信頼できる研究者」に複数当たった上で、論文の原著にも当たるなど、
ちゃんと裏を取って、雑なことが起こらないように気をつけていただきたいと思います。
たくさんの純朴なお客さんたちのためにも、
もしそうでなければ、ぼくのコメントは控えていただきたいと思います。 

(原文ママです。すみません、「高級」は「高給」の誤植ですね。)

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後半の「お願い」に関しては、先方様が「評論家ではなくしかるべき専門家だから大丈夫です」とおっしゃっていたにもかかわらず、そうではない方もご登場で、しかも「あ、この人は論文とか読まない人だな」とすぐに推測されちゃう方もいて、残念な個所もありました。が、書かれてもしょーがない部分もありましたね。事前にくぎを刺して置いた分、もしかしたら多少は抑制的になったかもしれません。

まあそれはそれとして…!!
個人的には、「切腹モノ」を使ってもらいたかったなーと思ってます。
たぶん、なのですがNHKのエライ人達は、文春にこう書かれても、自分の責任だとは思わないんじゃないかなーと思います。「ガッテン!のやつらも、えらいことしてくれたよなー、まったく」くらいなもので。
大変残念なことにNHKのエライ人達は、「間違っていなければ正しい」と考える習性があります。チェックの際の念押しに、「間違ってはいないんだな、よし。」という言葉がしょっちゅう聞かれます。そして、「法的に負けなければ勝ち」という、アホな考え方も持っています。アホでしょ。大負けしとるやんか!!
OKを出してしまったぼんくらちゃんたちも、「ちゃんと確認したんだけどなー」と、いまだに思ってるくらいでしょう。で、きっとこの後もふつーに高給取りのままでしょう。ま、僕の知らない人たちなんで、関心もないですけどね(もし本気で反省して自ら減給を訴えてるとしたらごめんちゃい。ないか。ないね)。

あ、せっかくなんで、文春さんに回答したもう一つの要素も載せときますね。

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今回の事件に関しては、もう一つ、誰にも指摘できない大きな原因があると、
ぼくは考えています。遠因ではありますが、主原因に近い遠因です。
それは、ぼく自身がNHKを辞めざるを得なくなった理由でもあるのですが、
「職員の講演活動を原則として禁止する」という残念な(アホな)ルールができたことです。
研究者ではない、町場の医師や歯科医師、薬剤師その他の医療従事者と常日頃から、
濃いお付き合いをさせていただく人間が現場からいなくなったことが、
じつは相当大きいです。
もしもその場にいたら、若いディレクターが最初に提案メモを書いた時点で、
「残念だけどこれはまだ放送しちゃダメなネタだね」と、一発回答です。
「もしかしたら2〜3年後には放送できる日が来るかもしれないから、温めときな」の世界です。
撮影に出かけることもなく、他のネタを探すことになっていたレベルです。
NHKのディレクターの中にも、そう思っている人は多いはずです。
(原文ママです)

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これね、わからない人にはわからないと思いますが、めっちゃ大事です。
「ぼくがその場にいたら間違いなく瞬殺だった」と断言できる、最大の理由がこれですから。
今さら肺炎球菌を妙に煽ったら現場がどうなるかとかね、そもそも受ける資格を持つ人が限られている検査を不用意に勧めたらどうなるかとか、現場の人が一番わかってるわけです。患者さんと毎日接してるから。で、そんな人たちと接していたら、若いディレクターがネタの相談に来た瞬間に、現場の医療者の顔が浮かぶんですよ、ふつーに。そしたらふつーに瞬殺です、あのネタは。
そーゆーお付き合いは、日頃から研修や講演をしているから、どんどん蓄積されるのです。取材だけだと、どうしても現場を知らない研究者(知ってるはずなのに知らない人多数)ばっかと接触することになってしまいます。
なのにねー。講演禁止のルールを作った人は、今や出世して理事さんやってるし、それを食い止めなかった周りの人たちも、まさか自分のせいだとは、1ミリたりとも思ってないよねー。現場レベルの人との接触を蓄積することの重要性は、ちゃんと伝えたのにね。まったく理解してませんでしたね。

…と、ここまでは、まあそんなこんなでしたよの話ですが、
今日書きたかったのは、実はここからです!!騒動自体は一段落したので、&たぶんこのブログは現役のスタッフたちもチェックしてると思うので、文春への回答文書には書かなかったことを書きたいと思います。

と思ったけど、さすがに長すぎるんで、いったん休憩します。
続きは。。。早くて明日か明後日にでも。すみません。
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