2014年07月21日
「残念です、三重県教育委員会の研修推進」
公務員なんてそんなもん、という言葉は好きではありません。
しっかり頑張って、公務員にしかできない素晴らしい働きをする方々を
たくさん知ってますから。その前提でお読みください。
今週行う予定だった研修が、ものすごく「なんだかなー」な理由で急に「取りやめ」になりました。
(M県と書いてもよかったのですが、スケジュールのページを見ればわかっちゃうことですので…。
もちろん、事前にお断りしてから書いています。)
ぼくの基本的な考え方で、NHKにいた時には「NHKのためではなく、お客さんのために」働いていました。
今も同じで、すべての講演や研修は、「主催者のためではなく、聴講者のために」働いています。
大変申し訳ありませんが、聴講者のメリットよりも「自分たちの事情」を優先させるような主催者であるならば、
気乗りはしません。しませんが、受講者のためになるのであればと思い、可能な限りお受けします。
ただしそれが、よくわからない理由で内容に口を挟まれ、
「文言を訂正または削除しなければ、配布資料を印刷しない」とまで言われれば、話は別です。
三重県教育委員会の研修推進課では、ぼくの研修を取りやめてでも、
イコール、受講者である学校の先生たちが学ぶ権利を奪ってまでも、かたくなに資料の印刷を拒みました。
10時から16時半までという、めったに受けることのできないたっぷりな内容の研修だったのに。。。
お役所がそうまでしちゃいたくなる配布資料って、一体どんなかなー???
って感じでしょ。じゃ、お見せしますね。よほどのことかと思うと…
三重教育配布資料140725.doc三重教育配布資料140725.doc
これです。この1枚めがよくないとかで。
「大衆を騙すのはとっても簡単」がいけないのかな?と思った方は残念でした。
「NHK」の3文字がダメなんですって。
この一文、ぼくは2004年からもう10年も配布し続けている表現です。
NHK内で行った研修でも7回くらい使いました。でも三重県ではダメ。
じつは全く同じ三重県教育委員会研修推進課で、2013年におこなった際には、
ふつーに印刷してもらってたのに、今年はダメなんですって。
「その時と同じ内容でやってほしい」と言われたからそうしたのに、
絶対にダメなんですって。
同じ内容で話す場合でもスライドやレジュメをしょっちゅう直しまくる性分のぼくが10年も同じ表現を使うというのは、当然それなりの教育効果や演出効果があるからに他なりません。でもダメ。
「これってたとえて言うならば、劇団に対して劇場主が『この大道具なしでセリフだけでやってくれ』と言っているようなものですが…?」と質問したところ、
理由はこうでした。
「紙資料は研修会を受講する者に配付をいたしますが、こちらが知らないところで受講していない方の手に渡ってしまったときに、「NHK」という特定の会社を誹謗中傷しているように受け取られかねない表現の文字だけが独り歩きすることを危惧しております。」
……ひぼーちゅーしょーらしいです。
で、ぼくがまだ職員だったときはよかったんだけど、辞めた人間はやってはダメだということでした。
ちなみに、辞めた後にもNHK内の研修に呼んでもらい、同じ文言を使用しています。もちろん、NHKの職員は喜んで印刷してくれましたので、誹謗中傷と考える人がどこにいるのかは、不明です。
もしかすると三重県の教育では、職業によって「言論・表現の自由」は制限されるのかもしれません。
あるいは、会社を辞めるような人間に対しては、「検閲」を強化するということなのかもしれない。
それはさすがに、ぼくの「邪推」かなーとも思いますが、
でもそう邪推される危険を受け入れてでも、これを印刷しない(=研修を取りやめる)ことの方が大事だってことですからねー。
もしかすると、「あなた自身が困ることになると申し訳ないからとの思いやり」からかなと思って聞いてみたら、そうでもないようでした。(別にぼくは困ることはないですし。)
電話でお話しした際に、「この表現が独り歩きしちゃったとして、最悪どんな悪いことが起こると想定してますか?」という質問には、結局お答えをいただけませんでした。
となると、あとは「こんなものを印刷するなんて、教育委員会は何をやっとるんだ!」と誰か偉い人から批判されることを恐れた、くらいしか考えにくいですね。他に何かありますかねー?
まあそれにしても、「文字表現だけが独り歩きする」って、極めて考えにくい事態です。
三重県教育委員会が前提としていたのは、「研修の内容を伝えることなく配布資料の文字だけを横流しにする受講者がいる」ということに他ならないわけですね。今どきの教育委員会は、そこまで教師のことを疑わないといけないんでしょうかね。心配なら、配布する際に「文字情報だけを横流ししないように」と釘を刺せばよさそうなもんですが、「どんなに注意しても、そういうことをする教師はいる」と踏んでるんでしょうね、きっと。
しかも、この配布資料はメモをガンガン書き込むために配ってるんで、当日の朝初めてこれを受け取った受講者が「自分の文字を隠したまま印刷された文字だけを流す」って、けっこうな手間だと思います。でもそこまでする人もいるかもって、疑ってるんですもんね。県の教育機関がそこまで疑うってことは、実際にやらかしちゃう人がいるんですかねえ、三重県には。ぼくはそうは思えませんけど。
ま、どっちにしても…。
なんだか三重県の子どもたちが、とってもかわいそうになってきました。
ぼくの研修を受けなかったことで何が違うって話ではなく、こうまで「事なかれ主義」にがんじがらめの中でしか、教師が研修を受けられないってことがです。
電話の様子では、このようなことはよく行われているようでした。「今回だけ特例で見逃すわけにはいかない」「整合性が取れない」というご発言もありましたので。。。
ご担当者から以前いただいていたメールでは、
「一昨年度の研修終了後、受講者が『本当にいい研修だった。楽しかった。』と笑顔で帰っていく姿を見ることができました。そして、『ありがとう!!』という言葉を何人かの受講者が残していきました。・・・なんだかとってもおいしい思いをしてしまったことを思い出しました。受講者の『また北折さんをよんで!!』という声に応えられましたので、今年の研修会でも、是非、受講者の笑顔を見たいと思います。」
こんなメッセージをいただいていただけに、ぼく自身、とても残念です。そうまで言ってくれてた研修を、こーまであっさりと取りやめるだなんて。
まあね、「印刷のための決裁の際にチェックが入った」ということなので、うちの会社と同じように、意味不明の管理職がいらっしゃったというだけの問題かもしれませんけどね。
あ!もしかすると、籾井会長のご親戚がいらっしゃるとか??
あ、あ!もしかすると放送への政治介入が大得意の安部首相の信奉者がいらっしゃるとか。
あ、あ、あ!こんなこと書くから、「ひぼーちゅーしょー」の常習犯に思われちゃうとか!?
いずれにしても、受講を予定されていた養護教諭44名、栄養教諭34名、計78名の先生には、申し訳ない気持ちでいっぱいです。その方たちには何の落ち度もないわけですので。
ぼくさえ我慢して「削除」を受け入れていれば、不完全な形ではあれ受講できたわけですので…。
なので、もしある程度の人数が集まるような自主的な勉強会ができるようであれば、三重県には無料でお出かけすることにいたしました。研修推進課のご担当者にも、受講予定だった皆さんにそのように伝えていただくようお願いしておきましたので、お聞きになってますよね。その際は、文字情報を思う存分「横流し」していただいてもかまいませんので、どうぞよろしくお願いいたします!!
あ、もしかすると三重県では、同じく憲法で保障されている「集会の自由」さえも約束されていなくて、目をつけられちゃう恐れがあるとか? もしそのようでしたら、他県で開かれる研修会をこっそりご紹介いたしますので、ご遠慮なくご連絡くださいませ(秘密は守ります)。この度は本当に申し訳ありませんでした。
まあ、そんなわけですので、他県の方々には申し訳ありませんが、今後は「受講者のメリットよりも自分の事情を優先する」ような方からのお申し込みは、お断りさせていただくことにいたしました。
そんなエラそうなこと言ってるとお仕事もらえなくなっちゃうかもしれず、日銭稼ぎの身分で(収入もガタ減りですし)言えた義理ではないのかもしれませんが、でもぼくは、そのような仕事でお金が欲しいとは、思っていませんので。(……今だけ???なんですかねえ。)
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